2022年03月24日    滋賀県の2030年GHGs削減目標の変遷を調べてみました

滋賀県のGHGs削減目標の変遷を調べてみました

 こんにちは、気候アクション滋賀ネットワークです。

 この10年ほどの滋賀県の温室効果ガス(GHGs)排出量の2030年の削減目標について変遷を調べてみました。

【2006年(平成18年)7月 嘉田知事就任】
●「持続可能な滋賀社会ビジョン」 2008年(平成20年)3月策定
 2030年目標 1990年度比50%削減
「第三次滋賀県環境総合計画」 2010年(平成22年)3月策定
 2030年目標 1990年度比50%削減
「滋賀県低炭素社会づくり推進計画」 2012年(平成24年)3月策定
 2030年目標 1990年度比50%削減(673万トン-CO2)

【2014年(平成26年)7月 三日月知事就任】
●「しがエネルギービジョン」2016年(平成28年)3月策定
滋賀県低炭素社会づくり推進計画(第二次) 2017年(平成29年)3月改定
 2030年目標 2013年度比23%(29%)※減
  ※( )は国の地球温暖化対策計画における電源構成に基づき算出した参考値。
 (参考) 国の地球温暖化対策計画における電源構成と電気の二酸化炭素排出係数
 【電源構成】石炭:26%、石油:3%、天然ガス:27%、原子力:22~20%、再生可能エネルギー:22~24%
 【電気の二酸化炭素排出係数】0.37 kg-CO2/kWh

●滋賀県CO2ネットゼロ社会づくり推進計画 2022年3月策定(予定)
 2030年目標 2013年度比50%以上(711万トン-CO2)


低炭素社会づくり計画1


低炭素社会づくり計画2

↑第二次滋賀県低炭素社会づくり推進計画の資料より。


 1990年のGHGs排出量は、1346万トン-CO2。
 ここから50%削減した目標数値は673万トン-CO2です。
 嘉田前知事の時代は、これが2030年の目標でした。
 2013年度比に換算すると52.7%減となります。
 ちなみに、このときは「できもしない数字を大きく掲げた」というわけではなく、県のシンクタンクである琵琶湖環境科学研究センターが綿密に計算した数字を積み上げて算定しています。

 2014年の三日月知事就任後、2017年の第二次滋賀県低炭素社会づくり推進計画では、2013年度比23%削減と大幅な後退をしています。
 計画書に数値ははっきりと書かれていませんが、計算すると以下になります。
 2013年の排出量 1422万トン-CO2×0.77=1094.9万トン

 今、策定が進められている滋賀県CO2ネットゼロ社会づくり推進計画では、2013年度比50%減の711万トン-CO2が目標です。
 もちろん前の計画の目標からは格段の進歩ではあるのですが、これが実は国の目標よりはるかに低いものであるのは先の記事で紹介したとおりです。

●まとめ
 嘉田前知事時代(低炭素社会づくり推進計画)の削減目標は、2013年度比換算で52.7%減。
 三日月知事が野心的な目標と胸を張る数値は、嘉田前知事時代から2.7%の後退でした。


 私たちが一度目の知事との対話を行ったとき、「知事は本気ですか」という若者からのド直球の質問に、知事は「僕は本気です」と応えられたのですが、さて。


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Posted by 気候アクション滋賀ネットワーク at 17:30 │Comments(0) 検証
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